「神さまの望み」

       ルカによる福音書1517節  

             水田 雅敏

 

皆さんはもう、分数を習いましたか。分数というのは、一つのものを同じように幾つかに分けたとき、それぞれの量や目方がどれくらいになるかを表す方法です。例えば、ここにスイカがあるとします。このスイカを切って5人で分けるとすると、一人分のスイカの量は5分の1になります。8人では8分の1です。人数が多くなればなるほど一人分のスイカの量は少なくなります。20人もいたら、たぶん私の貰えるスイカの大きさはほんのひときれになってしまうでしょう。このように、何かの物を分けるとき、人数が多ければ多いほど一人の分け前が少なくなります。

それと似たようなことは学校でも起こります。一つのクラスの生徒の数が多すぎるのはよくありません。昔は一つのクラスに50人もの生徒がいました。先生は一人しかいませんから、一人一人の生徒にしてあげられることは当然少なくなります。生徒たちめいめいが書いた作文や日記を読んだり、分からないところを教える時間も限られてきます。

でも、神さまが私たちに与えてくださる恵みは違います。人数が多いからといって、決して減ったりするものではありません。

神さまから遣わされたイエスさまはこんな譬えをお話しされました。ある羊飼いが百匹の羊を飼っていました。果たして羊飼いが一匹一匹にしてあげられることってどれくらいでしょう。100分の1でしょうか。そうではありません。一匹を見失ったとき、羊飼いは残りの99匹を野原に残しておいて、迷子の羊を探しに行きました。無事に見つけたので、大喜びで肩に載せて帰り、周りの人を呼んでお祝いをしました。神さまにとって私たち一人一人はみんな、迷子の羊と同じように、失ってはならない大切なかけがえのない者なのです。

 

ところで、今世界の人口は何人でしょう。おそらく76億人ぐらいだろうと言われています。あなたはそのうちの一人です。そんなに大勢いても神さまがあなたを大切に思う心は少しも変わりません。今この地球に生きている人々の一人残らず全員が天国の幸せにあずかってほしい、それが神さまの望みです。76億人のうちのたった一人が欠けてもいけません。そうでなければ、神さま御自身心から喜ぶことができないのです。私たち一人一人が神さまにとって絶対に失ってはならない大切な子供なのです。