「互いに愛し合いなさい」

                  ヨハネによる福音書15917節 

                               水田 雅敏

 

私たちは誰でもみんな、嬉しいことや心から喜べるようなことがたくさんあってほしいと思っています。例えば、皆さんはどんなときに喜ぶでしょうか。誕生日のプレゼントに前から欲しかったおもちゃを買ってもらったとき、テストですごくいい点数がとれたとき、何かのスポーツの試合で活躍できたとき、連休に家族で旅行に行くとき、ほかにもたくさんの嬉しいことがあると思います。

では、イエスさまはどんなとき、嬉しかったのでしょうか。また、どんなことを喜ばれたのでしょうか。イエスさまはご自分が十字架におかかりになる前の夜、弟子たちにご自分の気持ちや思っていることを全部、話してくださいました。そのときに、ご自分がいつも感じていた喜びについて教えてくださいました。それは父である神さまから愛されているという喜びとその神さまの御心に従って生きることの喜びでした。

イエスさまはその喜びを、弟子たちにそして私たちに与えたいと望まれました。イエスさまは私たち一人一人を「わたしの友」と呼んでくださいました。そして、私たちがみんな天国に行けるように十字架にかかってくださいました。イエスさまは大事な友である私たちのためにご自分の命すらも与えてくださったのです。このことこそ私たちの最も大きな喜びです。

イエスさまが与えようとされる喜びは、イエスさまの掟を守ることによって、さらに豊かにいただくことができます。それは「わたしがあなたがたを愛したように、互いに愛し合いなさい」という掟です。今日の聖書の12節にその言葉が書いてあります。「わたしがあなたがたを愛したように、互いに愛し合いなさい。」「互いに愛し合う」ということはお互いを大切にするということです。お互いを大切にすることによって、私たちは本当の喜びを味わうことができるのです。

実は、それはもう既に皆さんも経験していることです。友達に親切にしてあげたとき、みんなはとても嬉しくなるでしょう。母の日や父の日に「お母さん、ありがとう」「お父さん、ありがとう」という気持ちを込めて何かプレゼントを用意してあげたとき、お母さん、お父さんも喜ぶし、みんなも嬉しい気持ちになるでしょう。困っている人を見て、「何か自分にできることがないかなあ」と考えて実行してみたとき、「助けてあげてよかった」と嬉しい気持ちになるでしょう。

 

イエスさまが私たちを大切な友として今も愛してくださっていることを信じて、私たちもお互いに大切にし合って生きていきましょう。このことの中に私たちの本当の喜びがあります。